五竜岳・唐松岳 Goryuudake, Karamatsudake ― 2012/09/30
【北アルプス・白馬へ】
夏休みの登山は、同僚で千葉から長野に転勤したkuroさんと白馬に出かけることになった。kuroさんの同僚のishiさんと3人だ。
登山前日の午後、新幹線で長野入り。夜は長野市内で郷土料理と酒に舌鼓。
北アルプス北部は私にとって初めての山域だ。JR大糸線の西側に3000m級の山々が南北に連なるが、今回は、白馬八方からゴンドラに乗り、八方尾根を登り、唐松岳から五竜岳へ縦走して往復する1泊2日の計画だ。
【行程】
8/8水
6:00長野市内発⇒7:00白馬村八方着=7:15~7:45ゴンドラ・リフト乗車
八方池山荘7:45→8:35八方池9:00→9:50雪渓→10:20丸山ケルン10:30→11:25唐松岳頂上山荘(唐松岳山頂へ登り15分・下り10分)12:45→15:00五竜山荘(泊)
8/9木
五竜山荘4:25→5:25五竜岳山頂5:50→6:35五竜山荘7:30→9:35唐松岳頂上山荘9:50→10:20丸山ケルン→11:20八方池12:00→12:30八方池山荘
12:35~13:05リフト・ゴンドラ乗車=13:15八方⇒岩岳=14:10白馬村岩岳の湯発⇒15:05長野駅着
【行動時間】 [ ]内はコースタイム
八方池山荘→唐松岳頂上山荘 [3:30] 3:40 (八方池で休憩 0:30 含む)
唐松岳山頂 往復 [0:35] 1:20 (山荘・山頂で休憩含む)
唐松岳頂上山荘→五竜山荘 [2:30] 2:15
1日目 計 [6:35] 7:15
五竜岳山頂 往復 [1:40] 2:10 (山頂で休憩 0:25 含む) +山荘で支度 0:55
五竜山荘→唐松岳頂上山荘 [2:30] 2:05 +山荘で休憩 0:15
唐松岳頂上山荘→八方池山荘 [3:00] 2:40 (八方池で休憩 0:40 含む)
2日目 計 [7:10] 8:05
【高低差】 八方池山荘1830m←→五竜岳2814m ±984m
【八方尾根を登り八方池に立ち寄る】
朝6時、ishiさんの運転で長野市を出発し、白馬に向かう。7時に八方に到着。駐車場のすぐ隣がゴンドラ乗り場だ。登山届を書き、7時に動き出したばかりのゴンドラに乗り、リフト2本を乗り継ぎ、苦労せずに標高1830mのスタート地点(八方池山荘)に到着。7時45分、八方尾根のハイキングコースを歩き始める。天気が良く、前方右手には白馬三山が姿を現し、早くも気持ちの良い山歩きだ。
道の両側の木は背丈が低く、多くの花が咲いている。まずは八方池まで急ぐ。長く山岳部を指導したkuroさんは歩くのが速い。いくつかのケルンを過ぎ、八方池の手前に来ると登山道にガスが漂い始め、道より少し下がった八方池は濃いガスの中だ。池のほとりで少し待ったが、お目当ての湖面に映る白馬岳は見られなかった。
【唐松岳を目指す】
八方池を出発し次の丸山ケルンに向けて歩き始めると、森林になり、ダケカンバの林になる。高山植物帯の上に森林があるという、八方尾根特有の逆転現象だとか。お花畑が次々と現れ、ニッコウキスゲ、チングルマ、イワカガミなどが綺麗だ。雪渓があり、石がゴロゴロした所で一休み。一登りで稜線上に上がると丸山ケルンで、kuroさんは長野に赴任後、まだ雪が多い頃にここら辺まで来たとのこと。眼前に不帰ノ嶮(カエラズノケン)の展望が開ける。
また左手に五竜岳が大きく根を張り、鹿島槍ヶ岳ものぞいている。
稜線の左を巻いて唐松岳頂上山荘に到着すると、多くの登山者で賑わっており、前方に立山と剱岳の展望が開けた。荷物を置いて右手の唐松岳山頂を目指す。
唐松岳山頂付近から山荘を振り返ると、白馬岳から続くこの山稜は東の長野県側がゴツゴツした山肌、西の富山県側が平らに切れた斜面になっているが、山荘はその平らな斜面にへばりつくように建っており、斜面をジグザグに下った所にテント場が続いている。
山頂からは北側に不帰ノ嶮を経て白馬岳への稜線が重なっている。
山頂の展望を楽しみ、山荘に戻って昼食をとる。ビールと、ishiさん持参のお気に入りの日本酒でのどを潤す。山荘近くの砂礫地にコマクサが咲いている。
【唐松岳から五竜岳に縦走】
ここから五竜岳を目指して南に縦走路を歩く。すぐにガスが漂ってきて展望がなくなり、岩場になる。登山者は前の区域より減ったと思われるがそれでも結構多くの人が行き交っている。岩場に咲くコマクサやキキョウが可憐だ。展望が利かない中から次々にアップダウンが現れ、岩場やハイマツや低木の道を経て、疲れも貯まった頃に、ガスの切れ目からようやく五竜岳が見え隠れし、遠見尾根分岐のピークを下って五竜山荘に到着。午後3時だ。
【五竜山荘】
素泊まりでチェックインし、山荘前のテーブルでビールなどを飲みながらくつろぐ。山荘前にはゆったりしたテント場があり、五竜岳のどっしりした山体がそびえる。
夕食は山荘の横で3人で銘々に作って食べる。kuroさんは冷凍したご飯を自然解凍させて食味を試し、カレーライスにした。ishiさんは鍋でハムを焼いていいにおいを漂わせた。私は早ゆでパスタを作った。雲海に夕日が沈むのを見送った。
寝室ではちょうど良いスペースで布団を敷き、ゆったりとした一夜を過ごした。長年愛用した豆電球のヘッドランプに代え、今回からLEDライトのものを使ったが、明るさが幅広く調節でき使い易そうだ。ishiさんは小さな基板にLEDを載せた手作りのヘッドランプを使っている。
【五竜岳に登頂し帰路へ】
翌朝4時に起床し、ヘッドランプが要らなくなった頃に五竜岳山頂を目指す。白い砂地の道の途中でご来光を迎えた。雲海から妙高山や火打山が頭を出している。五竜岳山頂に到着すると、南隣の鹿島槍ヶ岳は朝日の当たる半分と暗い半分でコントラストをなし、西側に位置する立山や剣岳に朝日が当たり始めている。
稜線は鹿島槍ヶ岳へと続くが、今回はここまで。kuroさんはかつて山岳部員を伴い、白馬岳から槍ヶ岳まで7日くらいかけて大縦走したそうだ。軽い朝食をとり、満足な気持ちで山荘に戻る。
7時半に五竜山荘を出発し、唐松岳を目指す。昨日と打って変わって朝の澄んだ空気で、目的地までの険しいアップダウンの道のりが丸見えだ。
最後の岩場を経て唐松岳頂上山荘に着き小休止の後、八方尾根を下る。
下るにつれて下からガスが湧き出し、八方池では昨日と同じく白馬岳の勇姿をすっきり望むことができなかった。
多くのハイキング客とともに歩き、12時半にリフト乗り場に着いて登山終了。天気に恵まれ、山頂からの展望がすばらしい2日間だった。
岩岳温泉で汗を流し、長野市に向かう。午後3時に長野駅前で車を降りてkuroさん、ishiさんと別れると、都会の猛暑の中だった。
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