三頭山から御前山へ奥多摩主脈を縦走 ― 2013/02/24
[奥多摩] 三頭山(1531m)・御前山(1405m) →休日の山歩き top
2013年2月17日(日)
平地では金曜日に雨が降った後、週末は天気が良くなる予報だったので、奥多摩の山は新雪になっているだろうと期待された。先月、正月に御前山から大岳山に縦走した時は富士山が見えなかったので、今回はその再挑戦も含め、三頭山から御前山に縦走しようと計画した。三頭山へは南秋川の数馬バス停から檜原都民の森を経て登ることにし、御前山からは湯久保尾根を経て北秋川の宮ヶ谷戸バス停に下山し、武蔵五日市駅の Start & Finish とすることにした。コースタイム約8時間半の長丁場になる。
(結果は、御前山から奥多摩の境橋バス停に下山した。)
2013年2月17日(日)
平地では金曜日に雨が降った後、週末は天気が良くなる予報だったので、奥多摩の山は新雪になっているだろうと期待された。先月、正月に御前山から大岳山に縦走した時は富士山が見えなかったので、今回はその再挑戦も含め、三頭山から御前山に縦走しようと計画した。三頭山へは南秋川の数馬バス停から檜原都民の森を経て登ることにし、御前山からは湯久保尾根を経て北秋川の宮ヶ谷戸バス停に下山し、武蔵五日市駅の Start & Finish とすることにした。コースタイム約8時間半の長丁場になる。
(結果は、御前山から奥多摩の境橋バス停に下山した。)
【行程】
西武線⇒国分寺5:29発中央線⇒立川5:44発青梅線・五日市線⇒武蔵五日市6:14着=バス武蔵五日市駅6:22発⇒数馬7:18着
7:20数馬バス停→7:40歩道→8:06車道出合→8:09歩道→8:22東屋8:37→8:42三頭大滝→9:32ムシカリ峠→9:46三頭山西峰10:42→10:51東峰展望台11:00→11:41鞘口峠→里山の道→12:20都民の森分岐→12:38浅間尾根分岐→12:45風張峠→12:53山のふるさと村分岐→車道出合2回→13:21月夜見山→13:40月夜見第2駐車場→14:10小河内峠→15:11惣岳山→15:29御前山山頂15:39→15:44避難小屋→16:30林道・沢道分岐→17:03栃寄森の家→17:20沢道入口→17:35境橋バス停
バス境橋18:11発⇒18:20奥多摩駅着=奥多摩18:34発青梅線⇒拝島19:36着⇒西武線
コースタイム 計画 実行
数馬 7:20 7:20
↓ [2:30]
三頭山 9:40-10:30 9:46-11:00 (30分遅れ)
↓ [0:45]
鞘口峠 11:15 11:41
↓ [1:10]
月夜見P 12:25 13:40 (1時間遅れ)
↓ [0:50]
小河内峠 13:15 14:10
↓ [1:10]
御前山 14:25ー15:00 15:29ー15:39
↓ [2:00] →[1:50]
宮ヶ谷戸 17:00 境橋 17:35
計 [8:25]+休憩1:25
=9:50 10:15
高低差 数馬680m→三頭山1531m→御前山1405m→境橋380m=+851m-126m-1025m
【数馬から三頭大滝を経て三頭山へ】
日曜日朝、5時過ぎの始発電車に乗り、国分寺で中央線に乗り換え、立川で5時44分発の青梅線に乗り換える。前2回の御前山や川苔山に行ったときの青梅線より1本遅いが、終点の武蔵五日市に6時14分に着くと、6時22分発の数馬行き1番のバスに乗れる。バス車内はとても寒かった。南秋川沿いに、新聞配達もしながらバスは進み、1時間弱の終点数馬で降りたのは私1人だけだった。7時20分、朝の日差しの中、奥多摩周遊道路へと続く車道を歩き始める。
(写真)下右から時計回りに、数馬バス停、近道入口、旅館2軒
三頭山荘の前を通る近道をし、再びメインの車道に出合った所は、奥多摩周遊道路の旧料金所があった場所とのことで(写真)、少し戻ると都民の森・三頭山を指し示す歩道の入口だ。
歩道は次第に雪道になり、沢を左右に渡り返し登ると、再び車道に出合い、右カーブの先で三頭大滝・三頭山を指し示す歩道の入口がある。
(写真)下左 歩道入口、下右と上左 歩道、上右 車道出合
ここからは檜原都民の森の領域で、ケヤキの路を登る。やや雪も深くなり、汗も出る頃、東屋があるので、上着を1枚脱ぎ、スパッツを付ける。(写真)
ブナの路の平坦な部分を歩くと程なく三頭大滝があり、滝見橋に立ち寄ると(約14年ぶりの再訪だ)、滝の大部分は氷と雪に覆われ、一番下の部分に水の流れがある。
(写真)三頭大滝。上方にブナの路の柵が見える。
次にブナの路は滝の上流部に沿って登りになる(写真)。落葉して見通しの良い沢沿いの道で、10センチほど積もった雪が日差しで光り、風もなく、気持ちの良い歩きで、汗も出る。
やがて稜線上のムシカリ峠に出て(写真)、山頂への最後の登りになる。左手には樹幹越しに富士山も見え始めた。
【三頭山山頂】
最後の階段を登り、三頭山西峰(1524.5m)に到着(写真)。4年ぶりの再訪だ。
まずは、南の富士山と対面。背景が青空ではなく白っぽい空だが、富士の裾野や前衛の道志の山々が黒々としており、まずまずのコントラストだ。これだけでも、雪道を汗して登ってきた甲斐があったというものだ。(写真)
次に、北側に移ると、正面の鷹ノ巣山や左の雲取山など石尾根の稜線が延び、右寄りには蕎麦粒山なども認められる。木立越しのはるか下方に見える奥多摩湖の水面から、それらの山々がとてつもなく大きな固まりとなって立ち上がっており、なかなかの圧巻だ。
(写真)左に雲取山、中央右に鷹ノ巣山
この山頂に着いたのは9時40分過ぎで、数馬からはコースタイムの2時間20分とほぼ同じ。今日は先が長いから素早い行動を心掛けようと、展望を楽しみながらも手早く食事に取りかかることにし、湯を沸かしてカップラーメンなどを食べる。この山頂は程良い雪に覆われて気持ちが良く、登山者が三々五々訪れている。そして多くの人が靴にアイゼンを付けている。私はここまでその必要は感じなかったが、念のためと、軽アイゼンを付けた。
(写真)三頭山西峰の標識。御前山まで9.5kmだ。
名残惜しい西峰を後にし、御堂峠に下る。4年前に登ってきたヌカザス尾根からの道は、今日は深い新雪に閉ざされ足跡もない。(写真)
登り返して三頭山の最高地点の中央峰(1531m)は木立で展望が無く、その先の東峰(1527.5m)には三角点がある。前回は御堂峠などに、西峰を中央峰とする古い道標が併存していたように思うが、今回はそれらが無くなり、西峰・中央峰・東峰とお揃いの新調の道標で統一されたようだ。
(写真)三頭山中央峰(左)と東峰(右)の標識。
東峰の先に張り出している展望台からは、御前山や大岳山が望める。これから目指す御前山はまだかなり遠く、そこに至るまでの道筋を確かめようとするが、ちょっと木の枝が邪魔して良く見えない。(写真)
またこの張り出した展望台のすぐ下に細尾根の登山道があり、人々の声も聞こえる。その声の主の若い男女数人が展望台に上がってきて賑やかになったので、いよいよ三頭山を出発し、4時間かけて御前山に縦走することにする。
【三頭山から鞘口峠へ】
三頭山東峰の展望台を出発したのは11時で、計画では三頭山では50分ほど休憩し10時半には出発することにしていたので、長居して30分の遅れだ。この尾根道は都民の森のブナの路になっており、結構急な下りだ。14年余り前の夏、息子が小学生だった頃家族で三頭山に来たが、その時、妻が鞘口峠からのこの急坂に音を上げて、それ以来一緒に山に行くと言わなくなった、いわく有りの急坂だ。そして、結構雪が深い。三頭大滝からの登りは沢筋だったこともあり雪が少なかった。多くの人がアイゼンを付けていたのも納得だ。そして下りでもあり、山頂からアイゼンを付けて正解だった。
(写真)三頭山から鞘口峠への尾根の下り道(ブナの路)。
(写真)三頭山から鞘口峠への道。「ブナの路」の北寄りに「登山道」が並行する区間が2回ある。
いくつか都民の森の路との分岐を経て、鞘口峠に降り着く。十字路になっており、右手の森林館の方向から多くの人が登ってくる。御前山への縦走路は、そっち経由でも行けるが、下って登りになるので、直進して里山の路を登ることにする。
(写真)鞘口峠 左に森林館からの道が上がってくる。右が三頭山への尾根
(写真)鞘口峠 月夜見山・御前山を指し示す方向は、里山の路
【風張峠を経て月夜見山へ】
鞘口峠から里山の路に入った途端に、雪の上の踏み跡が少なくなり、動物の足跡も見られる。ただ、地形は今までよりも広々とした尾根になり、日差しもあり心地よい歩きだ。(写真)
この里山の路には小さなピークが2つあり、その2つめのピーク付近では、左手の針葉樹林の間から、雲取山を中心とする山並みの展望が良い。
(写真)右が雲取山、左に飛竜山、その間に三ッ山のギザギザの稜線
このピークを下ると分岐があり、右が都民の森に戻る道、左が風張峠に向かう縦走路だ。そしてこれまであった足跡は都民の森から上がってきたもので、風張峠の方向は新雪の上にまだ歩いた跡がなく、いよいよ、初めての足跡を付けて歩き出す。より正確に言うと、深い雪に着いた足跡の上に新雪が被さっている状態で、古い足跡が分かるから、トレース有りと言って良く、ルートファインディングに苦労しない。(写真)
とは言え、尾根筋を巻いて斜面に細く道が付いているだけの部分もあり、踏み外さないよう注意が必要だ。雪が深い所は20~30センチにもなろうか。
やがて、風張峠の手前で右手に浅間尾根が分岐する所に来ると、前方から対向して来る足跡が始まり、浅間尾根の方に歩き去っている。
(写真)左、結構深い雪に前方から対向して来る足跡。右、浅間尾根の方に歩き去る
対向する足跡をたどって進むと、風張峠では右手下方に周遊道路が通っている。(写真)
その先は山のふるさと村・奥多摩湖への分岐で、対向する足跡が無くなった。この足跡の主は奥多摩湖から登ってきて風張峠を経て浅間尾根へと歩いたのだろうと思われる。
(写真)左、山のふるさと村・奥多摩湖への分岐。右、再び新雪になる。
再び新雪の上に初めての足跡を付けつつ、月夜見山を目指すと、周遊道路に出合い、舗装道路の上を歩くが、アイゼンをはいているので歩きにくい。車の通行は多くなさそうだ。(写真)
周遊道路から別れて平坦に歩き、再び周遊道路に出合った後、下って登り返し、金網越しに周遊道路を見下ろし、そして月夜見山(1147.0m)山頂に着く。山頂の広場は針葉樹や広葉樹に囲まれ展望がないが、ベンチもあり落ち着けそうな所だ。(写真)
ここから下ると三たび周遊道路に出合い、月夜見第2駐車場に着く。なお、地図では、月夜見山から尾根筋を下って、周遊道路の左カーブ(奥多摩湖に向かって)の地点に出る道が描かれているが、実際には、斜面を下って道路の右カーブの地点に出て、車道を数馬の方向に歩いて駐車場に達した。
(写真)周遊道路に出合う。右の数馬方向に歩く。
(写真)月夜見第2駐車場
【月夜見第2駐車場から小河内峠を経て御前山へ】
トラックなど数台が停まっているが人影のない駐車場から、小河内峠・御前山を目指す縦走路が始まる。ここからは多くの人が歩いたらしく明瞭なトレースになっている。(写真)
もはや周遊道路に近づくこともなく、静かな尾根歩きだ。右手が檜原村で秋川流域、左手が奥多摩町で多摩川流域の、分水嶺の尾根で、結構両側が切れ落ちた細尾根だ。雪は10センチほどで、所によりすっかり消えて地肌が出ている。そしてたどり着いた小河内峠は、細尾根上の鞍部で、奥多摩湖と北秋川の両方に下山路が分岐し、奥多摩湖が見える。(写真)時は午後2時過ぎ、三頭山を出発して3時間経っており、当初の計画より1時間遅れにまでなったが、御前山まであと1時間余なので、そのまま前進することにする。
惣岳山に向かって緩やかに登り出すと、登山道の整備作業をしているらしい、古い木の杭やロープを背負った人が相次いで7人ほど下りてきた。その先で、奥多摩湖側が崩落し「よそ見やおしゃべりに注意」という箇所があった。
惣岳山に向けて登りが急になると、スタミナ切れで足が上がらなくなったので、三頭山で食事をしてから4時間も何も食べてないことでもあり、急遽、倒木に腰掛けてサンドイッチなどで栄養補給した。(歩きながら何か食べ続ける方が良いかもしれない。)元気回復して惣岳山に到着、正月以来の再訪だ。(前回なかった真新しいベンチが配置されている。)(写真)
そして御前山に向けて最後の登りにかかると、植生保護のための柵が新しいものに交換される作業の途中であり、さっきすれ違った人たちの仕事かと思われた。この辺りにカタクリの花が咲く頃は、新しい柵で多くの登山者を迎えるのだろう。(写真)
その先で富士山が見えた。霞んできているものの、午後のこの時間でまだ見えるとはありがたい。そして三頭山が富士山のすぐ右だ。良く歩いてきたものだ。(写真)
午後3時半、三頭山の出発から4時間半かかって御前山山頂に到着し、山頂広場をしばし独占する。(写真)
鞘口峠からここまで、整備作業の人たちのほか、登山者とは全く誰とも出会わなかったと思う。それなりに人気のあるコースと思われるのに、時期が閑散期で、時間も遅かったためか。ともかく、これで、大岳山・御前山・三頭山の奥多摩三山を結ぶ奥多摩主脈稜線を、2回に分けて歩き通した。
【御前山から栃寄を経て境橋に下山】
御前山からの下山は、予定を変えて、栃寄を経て境橋に下りることにした。遅い時間になったから、なるべく早く林道に出るためだ。
御前山避難小屋(写真)の先で右手の木立が切れて大岳山が見える所があった。左右に長く稜線を伸ばし、その奥に町並みが望める。(写真)
この先の道は、落葉樹の間の北斜面の下りで、見通しは良い方だが、雪は多い。(写真)
そして奥多摩都民の森(体験の森)の広場や道の表示がやたらと多い。湧水の広場だったろうか、川苔山・蕎麦粒山の展望があった。(写真)
やがて右手の沢沿いに広い歩道が始まったが、道標は左の山寄りの登山道を案内しているので、しばらく山寄りの道を併行する。そして2本の道が合流した所に東屋があり、林道(車道)が始まる。
(写真)左方登山道の終わりに東屋があり、右下方に林道が始まる。ここはトチノキ広場という。
時に4時半、ようやく、まだ明るいうちに安全圏まで下山できた。ここからは栃寄沢に下りる道も分岐するが、13年余り前の夏、まだ小学生だった息子と御前山に来て、下山でこの沢道に入ったがすぐに道が分からなくなり、息子が泣き出しそうになり、結局林道まで戻ったことがあった、これもいわく有りの沢道だ。なので今回も林道を下ることにする。林道とはいえ雪はしっかり残っており、しばらく歩くと雪が消えて乾いている箇所があったので、そこに座り込んでようやくアイゼンを外し、身軽になった足で引き続き雪道を下る。(写真)
(写真)栃寄集落が見える。
車止めを通過するとようやく車道の雪がなくなり、栃寄集落に入った。急坂を何度もカーブして下りるこの車道は人も車も通らず静かで、次に沢と平行した直線道路になる所で、沢沿いの登山道の出口があった。(写真)
時に5時20分で、地図によれば沢沿いの下りはコースタイム40分、それを林道歩きで50分かかったことになる。さらに車道を歩き、境橋のバス停に5時半過ぎに着いた。(写真)
朝の数馬バス停から10時間余りの山歩きになった。バスを待つ間に暗くなり、空に月や星が輝きだした。体も冷えてきたが、待つこと30分余り、乗り込んだ奥多摩駅行きのバスの中は、とても暖かかった。
奥多摩駅は既に夕闇の中だったが、電車を待つ登山者は結構多く、温泉に入ってきた人もいたか。青梅線の車内は登山の余韻に加え途中駅からは青梅マラソンの余韻も乗せ、立川へと向かった。
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